染色石塚工房-Ishizuka Studio-
資料-板締染コレクション
工房では板締染の技法で作品を制作してきましたが、技法の特徴、また技法の可能性を探るために板締染の資料を蒐集してきました。その中から主だったものを紹介します。
インド夾纈裂(きょうけちきれ)

この裂に似た文様の版木がインドで発見され、現在インドのキャリコミュウジアム、スイスのバーゼル博物館に収蔵されています。版木の文様から版木は17世紀前後のものと考えられています。
インド夾纈
チベットタンカ包布として使われてきた夾纈裂


チベットにおいて、タンカ(仏画)は貴重な動産で、表装には貴重な布地が使われてきました。これらの夾纈裂はタンカの覆い布としてチベットで使われていたものですが、何処で生産されたのか、ネパール、チベット、中国なのか現在のところわかっていません。チベットは高地にあり、温度、湿度が一定していますので染色裂の保存には適したところです。これらの夾纈裂は永年使用されていたことを鑑みますと、退色も少なく良い状態と思います。

タンカ包布01 タンカ包布02 タンカ包布03
中国藍板締

日本では出雲地方で江戸後期に藍板締染が行われていましたが、中国でも1950年代まで行われていました。この裂は中国で再現されたものです。この布の用途は新婚のための夜具カバーです。そのため吉祥文様があらわされています。
中国藍板締01 中国藍板締02
紅板締

紅板締は江戸中期から大正末までおよそ250年間京都で行われた紅色を染めるための量産防染技法です。明治10年代ぐらいまで主に紅花が染料として用いられましたが、それ以降は合成染料で染められました。


紅板締版木

紅板締版木は文様が主に凸状に彫刻されています。版木の片面のみに彫刻された「片面彫り版木」と版木の両面に文様がほどこされた[両面彫り版木]があります。[片面彫り版木]で20数枚、[両面彫り版木]10数枚が1セットで用いられ、一度に約24メートル染めることが出来ます


紅板締01 紅板締02 紅板締03 紅板締04

紅板締間着




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